経済危機は中国から?
日経新聞(2019/2/24)に、「冒険投資家」として有名な、ジム・ロジャーズ氏のインタビュー記事が載っていました。
氏によると、中国の企業破綻が世界的な債務危機のきっかけとなり、経済危機をもたらすと述べています。
気になるところを要約します。
・次の経済危機は、リーマンショックを上回る市場最悪のものとなる。なぜなら、米国の債務は数兆ドルという天文学的な規模に及んでいるから。
・危機のきっかけは、中国での想定外の企業・地方自治体の破綻だろう。世界経済も停滞に陥る。
・米中貿易摩擦については、交渉の中で短期的には好材料が出てくるが、中長期的には世界の市場を弱らせる。
・FRBの金融緩和回帰の動きは、短期的にマネーの巡りをよくする効果はあるが、債務は膨張する状況は変わらない。世界的に金利低下で株式相場は上昇しているが、いつまでも続かない
ちょっと省略しすぎてわかりづらいかもしれませんが、簡単にいうと
今やってる政策はその場しのぎで、そのうち大きな経済危機が起こるだろう
ってことです。
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さてここからはおりあーの妄想となります。
はっきりとは言ってないですけど、おそらくアメリカがデフォルトに陥ることも警戒しているんでしょうね。
アメリカは大量に国債を発行して経済を保っています。正確ではないですが、借金を増やし続けているといってもいいです。
無限に国債を発行できるわけではなく、債務上限というのがあって、この上限が議会で引き上げられないとデフォルトの可能性もあるとこの前新聞に書いてました。
だから、FRBは金利を引き上げて債務の膨張を止めようとしているのですが、株価は下がっちゃうし、トランプさんの圧力もあるので、結局引き上げをやめました。まあ、景気が悪くなると税収も下がっちゃうしね。
ただ、ジムさんは「もう遅いよ、なんでこんなに債務が膨れるまで緩和しつづけたんだ!」と言っているわけです。
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こんな状況の時に、米国債の大きな買い手である中国は調子が悪い状態です。一因は貿易摩擦だから、アメリカは自分の首を絞めている側面もあるんですね。ギリギリの綱渡りというか。
中国は、株価は上がっていますし、貿易摩擦もこの前トランプ大統領が期限を猶予したこともあって、一見大丈夫なように見えます。が、アメリカと同じく債務は膨張してます。
債務削減で金融を引き締めよう、ってことになると、世界の消費国である中国の景気が悪くなるのだから、世界中の景気が落ち込む可能性があります。
しかも、猶予されたとはいえ、現在進行形で企業の業績は悪化したり、破綻している会社も出てきていますしね。
だから最悪の話、国家のデフォルト(破産)が大国レベルで連鎖する、なんて可能性もあるわけですね。中国、アメリカ…そして世界へ。
「アメリカは最強の国家だ!借金なんていくらでも踏み倒せる!」って主張もありますが、それは中国がまだ台頭していなかった時の話ですよね。貿易摩擦、アメリカが圧倒的に優位なのは確かですけど、中国も米国債、1兆ドル以上持ってますからね。どうなるのかな。
まあこれは悲観論であって、デフォルトなんてことにはならないと思いますけど、景気後退は時間の問題のように思えます。
引き続き米中の動向には注目しつつ、つみたて投資家はコツコツいきましょう。